コンプレックスとトラウマの違い

-　詳しい解説　-

コンプレックス（Complex）とは感情複合、あるいは心的複合体とも訳され、ある事項と本来は無関係な感情が結合された状態のことである。心理学や精神医学用語の一つで、主に精神分析用語として用いられる。
特に有名なのはフロイトの精神分析の中心に据えられているエディプスコンプレックスである。後にアルフレッド・アドラーの人格心理学が日本に入ってきて劣等コンプレックスが広く知られるようになった。このため日本では特に劣等感（インフェリオリティ・コンプレックス）＝コンプレックスという誤って認識されるようになった。
他にはマザー・コンプレックス、ファーザー・コンプレックスなどが知られている。

これに対してトラウマとは精神的外傷、あるいは心的外傷と呼ばれるもので、様々な要因で受けた肉体的、精神的なショック、恐怖、異常体験などによって心に受けた傷のことである。主な原因には児童虐待、性的虐待、戦争、犯罪、いじめ、または事故や自然災害などがある。トラウマによって精神に異常を引き起こすような状態をPTSD心的外傷後ストレス障害という。