帰ると還るの違い

帰ると還るの違い

- 概要 -

人が家や会社など物理的な移動をして戻ってくることには帰宅、帰社というように、「帰る」を使う。還るは、原点に立ちかえる、根源的な状態に戻るといった抽象的な意味合いが強い。

- 詳しい解説 -

帰る、還るともに、辞書的な意味では、もといた場所、出発点に再び戻ることを意味している。また語源も同じくする。また「お客が帰った」という使い方の場合は、「来ていた客が去って行った」という意味になる。

帰ると還るの意味は同じでも、ニュアンスが微妙に違う。たとえば、普段、人が家や会社など物理的な移動をして戻ってくることには帰宅、帰社というように、「帰る」を使う。帰り道などの用法も同じである。

それに対して還るという漢字を使う場合は、同じ出発点に戻るという意味でも、どちらかといえば原点に立ちかえる、根源的な状態に戻るといった抽象的な意味合いが強い。
たとえば、「人は死んで土に還る」という場合、母なる大地に戻っていくという意味である。同様に、ジャン・ジャック・ルソーの思想を表す言葉といわれる「自然に還れ」という言葉も、社会という悪から抜け出し、人間本来のもつ自然の無垢な状態、自由な状態へ戻れという意味合いから「還れ」という漢字が当てられることが多い。

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